足の内果(内くるぶし)同士を揃えて立った際に両膝の間が開いてしまい、いわゆるがにまたのような状態になってしまうことをO脚と呼んでいます。
O脚は生まれつき股関節の変形などのもの(あるいは骨折などケガによる変形、病的なもの)と、姿勢など日常生活でクセになった原因のものとに大きく分けられます。ここでは日常生活での姿勢や身体の使い方など生活習慣からくるO脚について紹介します。
赤ちゃんの頃は足が外に開いていますが、足の筋力が徐々についていくと2歳頃から自然と矯正されて、小学校低学年までに膝がまっすぐ前を向いた状態となります(これを生理的O脚といいます)。本来ですとこの状態のままで問題なく経過すればいいのですが、姿勢や歩き方が悪い状態、足や体幹の筋肉低下、骨盤のゆがみなどからO脚やX脚などを引き起こしてしまいます。
このようにO脚は膝関節の変形や骨そのものが曲がってしまってO脚になったわけではありません(O脚のままこの状態を放置することで変形性膝関節症などにつながってしまうケースはあります)。
股関節・膝関節・足関節(足首)は一見すると別々の働きではありますが、姿勢の悪さやクセなど生活習慣の問題からこれらの関節に負荷がかかって全体がアンバランスになり、ひいては筋肉や関節だけでなく、骨にも影響を及ぼしてしまいます。
O脚と言っても実は様々なパターンがありますが、膝が外向きに開くことをO脚(内反膝:膝から下は逆に内側に入る)、内側に入ってしまう状態をX脚(外反膝:膝から下は逆に外側へ反る)といいます。さらに細かく分けていくと次の種類があります(4〜5つに細分化している事例もありますが、ここでは3タイプに分類しました)。
座り方や歩き方、姿勢などの動作からO脚になってしまうことがあります。
例えば普段からこのような傾向になっていませんか?
など・・・
これ以外にも様々な要因が考えられますが、座り方や歩き方、普段の姿勢など生活習慣を注意することで少しずつ変化が生まれ改善へとつながっていきます。ストレッチやエクササイズなどを取り入れることや、太もも内側の筋肉を鍛えるなど改善するためのポイントはさまざまです。
外反母趾の予防にもつながりますので、靴は極力ヒールの高いものを避ける、いつもより歩幅をやや広くとってかかとから着いてつま先を蹴り出すように歩くなども有効です。
将来的に股関節や膝、足首への負担をかけないためにも、日常生活で姿勢や動作を意識して気を付ける必要があります。気になったことはガマンせず、きちんとした処置や指導を受けることも大切です。