ひじの痛み2

ひじの痛み2

肘部管症候群

小指と薬指の感覚と、指を伸ばしたり閉じたり開いたりする手指の筋肉を支配している尺骨神経(しゃっこつしんけい)が、肘(ひじ)の内側の肘部管(ちゅうぶかん)というトンネルで圧迫や引き延ばしを受けて発生する神経麻痺です。
肘の内側の上腕骨内上顆(じょうわんこつないじょうか)というくるぶしの後ろに、骨と靭帯で形成された肘部管というトンネルがあります。
ここを尺骨神経が通ります。トンネル内は狭くゆとりがないため、慢性的な圧迫や引き延ばしが加わると、容易に神経麻痺が発生します。

圧迫の原因には、トンネルを構成する骨が隆起した骨棘(こつきょく)や、靭帯の肥厚、トンネル内外にできたガングリオン嚢腫(のうしゅ)などがあります。
神経引き延ばしの原因には、小児期の骨折によって生じた外反肘(がいはんちゅう:肘を伸展させると過剰に外側に反る変形)などがあります。

麻痺の進行により症状が異なります。初期は小指と薬指の小指側にしびれ感が生じます。
麻痺が進行するにつれて手の筋肉がやせてきたり、小指と薬指がまっすぐに伸びない鉤爪(かぎづめ)変型(あるいは鷲手(わしで)変形)が起こります。

筋力が低下すると、指を開いたり閉じたりする運動ができなくなり、握力も低下します。

変形性肘関節症

長年の使用や肘へ繰り返される負担によって、軟骨がすり減ったり、骨の変形が生じたりする病気です。原因がはっきりしない加齢に伴う一次性の変形性肘関節症と、何らかの原因で生じる二次性の変形性肘関節症があります。
二次性の原因には骨折、脱臼などの外傷や、野球などのスポーツや、大工仕事などで過度に肘を使用することによって生じるものがあります。
長時間の作業やスポーツなどで無理をした時などに肘関節に痛みが出ます。

痛みの軽い場合もありますが、変形が進行するにつれて関節の動きが制限され、肘が完全に伸ばせなくなったり、洗顔や食事に支障が出たりします。
変形に伴い肘の内側で尺骨神経の圧迫による麻痺を生じ、手の力が入りにくくなったり、小指と薬指にしびれなどが生じたりすることがあります。