足の痛み3 足底筋膜炎

足の痛み3

足底筋膜炎(足底腱膜炎)

病態

足底筋膜炎はランニングやジャンプなど繰り返しの動作負担で体重が足部にかかり、足底筋膜を刺激して炎症を起こすことでかかと周辺に痛みを及ぼします。土踏まずや足の親指あたりが痛くなることもあります。
主にマラソンランナーや陸上などのスポーツ、他にダンスでの動作や営業職などで長時間革靴で歩き続ける方なども症状が出ています。

かかとから足趾(そくし:足の指)の付け根にかけて足底筋膜という幅の広く薄い膜状の腱(筋膜)が扇状に広がっています。足底への衝撃を吸収するべく、足裏全体をドーム状に形成されているのがアーチです。3方向に広がるこのアーチは骨と筋肉、靭帯と腱(足底筋膜)で構成され、この3点へ重心が分散されることで体重からの直接的な衝撃を逃がしてバランスを保っているのです。

症状

朝起床して足を床に接地して体重を乗せた瞬間、踵骨(しょうこつ:かかとにある骨)につく足底筋膜が痛くなります。この他走り始めなどスポーツをやり始める最初の動作で痛くなります。
特にかかとを蹴り出す動きで足底全体に激しい痛みが出ます。5〜10分程で痛みは消失する傾向にありますが、一時的で痛みは日に何度も繰り返すことが多くなります。偏平足や踵骨棘(しょうこつきょく:まれにかかとの骨にとげのような余分な骨が形成されること)などでも痛みが誘発されることがあります。

治療

痛みの強い初期は炎症を早く抑えるべく、ジャンプや走り込みは控えて休ませることが重要です。テーピングや足底板などの装具を用いて足底部のアーチ補正を行います。物理療法は低周波治療器、超音波治療器を用いて炎症を落ち着かせます。
スポーツ選手など長期間休むのが困難な環境下では、ステロイド剤注射などを用いる場合もあります。かかとに負担をかけないリハビリとしてプールなど水中での歩行やエアロバイクなど直接体重がかからない状態でのトレーニングが有効です。

症状が落ち着いてきたら足趾でタオルをたぐりよせるタオルギャザーやバランスディスクを用いての片足立ち、足の底屈運動を促進させるチューブトレーニングなどを取り入れます。