かかとの痛みの一つに踵骨棘があります。
踵骨棘はかかとの内側の疼痛を生じ、歩行時痛と短趾屈筋腱付着部(たんしくっきんけんふちゃくぶ)の圧痛を特徴とします。
踵骨棘とは、かかとの骨の異常な増殖で、かかとの骨が腱や骨に付着している結合組織(筋膜)に過剰に引っぱられた結果です。
踵骨棘の隣接する組織が炎症を起こすと痛みが生じます。
ほとんどの場合、手術をしなくても治療できます。
踵骨棘の痛みは、通常診察中に診断がつきます。
かかとの裏の、土踏まずが始まるところを押すと痛みが生じます。
また、かかとの中心部を押したときに痛みがあれば滑液包も炎症を起こしていることを意味します。
X線検査で診断を確定しますが、初期であればかかとの骨に異常はみられません。
治療では痛みの軽減が目的となります。
足や土踏まずの部分にパッドを詰めたり、テーピングや矯正用具を使用してかかとを安定させます。
そうすれば、筋膜の伸びが最小限になり、痛みを軽減することができます。
かかとのクッションや底の柔らかい靴を補強するのも役に立ちます。また、ふくらはぎのストレッチも効果的です。
体重をかけた運動が強くなると痛みは再び強くなり、痛みが強くなるとかかとで歩くのを避け、前足部で歩くようになります。
炎症期間が長く続けば筋膜が踵骨(しょうこつ)に停止している部分の骨棘(こつきょく)が大きくなります。
かかとの痛みは痛みがあるままで放っていますと、きちんとした歩き方ができず体重を支える膝や股関節、腰に負担がかかってしまい膝や股関節、腰などが痛みが出てきてしまいます。
当院では通常、初回よりテーピング等により痛みに変化がみられます。
なかなか治療はされていても痛みの軽減がないという方も一度ご相談下さい。